ピアノ脱力法&ピカソに触れた感性の時間

みなとみらいのYAMAHAで行われた
馬場マサヨ先生による「ピアノの脱力法」研修に参加しました。
ピアノを弾く上で、手や腕に余計な力が入ってしまうと、表現にも響きにも影響します。
今回の研修では「力を抜く」のではなく、必要な部分を正しく使う、という考え方が印象的でした。
特に驚いたのが、手の形がなかなか整わないお子さんへの声かけについてのお話。
「もっと丸くして」「手のかたちをキレイにして」と言いがちな場面で、
馬場先生は"感覚と言葉"を丁寧につなげて伝えていらっしゃって、思わず「目からウロコ」でした。
レッスンでも、「形を直す」ではなく、「どう感じて動かせば楽に弾けるか」に意識を向けられるような声かけを、私も心がけていきたいです。
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そして研修後は、横浜美術館へ足を運びました。
目的は、**ピカソの《肘掛け椅子に座る女》**という作品。
大胆な線、力強い色彩、そして見る人によって印象が変わるような奥行きある構成。
一体、この作品を理解するには、あと何十年かかるのでしょうか。
私には美術館でのちょっとした楽しみ方があります。
それは、目の前の作品に合いそうな作曲家や曲を想像して、イヤホンでその音楽を聴きながら作品と向き合うこと。
色づかいや構図、作品の放つ空気感から、音楽が浮かんでくる瞬間があります。
例えば、ピカソの《肘掛け椅子に座る女》を見たときは、ドビュッシーやストラヴィンスキーのような、ちょっと不思議で自由な響きがぴったりだと感じました。
視覚と聴覚、二つの感覚で味わうことで、作品の中にもっと深く入り込める気がします。
「自由な表現には、確かな基礎と感性が必要」
ピアノと美術、ジャンルは違っても、基礎の部分はつながっているんだなと感じた一日でした。
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日々のレッスンに生かせる学びと、感性を養う芸術の時間は、とても充実した時間でした。
今後の指導に少しずつ取り入れていきたいと思います。